アメリカ永住権を求める人間ドラマ

メキシコ麻薬組織 その1

現在のアメリカ合衆国の違法薬物の卸売市場を支配しているのはメキシコ組織です。メキシコは麻薬の主要な生産国でもあり、中継国であります。アメリカへの大麻とメタンフェタミンの主要な供給元となっています。メキシコのヘロイン生産のシェアは世界的に見ればわずかではありますが、アメリカへのヘロイン供給では大きなシェアを占めています。現在アメリカ国内に流入する外国製麻薬のおよそ70%がメキシコの麻薬カルテルの支配下にあるのが現状です。

アメリカ合衆国国務省は、コロンビアで生産されてからメキシコを経由してアメリカに流入するコカインは全体の90%にも及ぶと見積っています。また、これらの違法薬物の卸売による売り上げは、年間で136億ドル~484億ドルになると見られています。

アメリカによる電子送金の監視が厳しいとなっている現状から、メキシコの麻薬密売人は車やトラックによってメキシコへ麻薬取引の代金を持ち込んでいて、持ち込む金額も増え続けています。

麻薬組織の影響 その1

巨大な力を持っている麻薬カクテルは、政治的圧力だけではなく実力行使も激しく行い続けています。それは今でも続いています。

2010年には、12人の市長がチワワ州、ドゥランゴ州、ゲレーロ州、オアハカ州、ミチョアカン州で殺害されていて、また知事の候補者も殺害されています。

メディアと報道機関も同じように攻撃を受けています。レポーターは誘拐されて殺されています。メキシコのテレビ局テレビサのオフィスは爆破されました。そのような出来事もあり、メキシコの中のいくつかのメディアでは、単純に麻薬犯罪の報道を停止しています。それは、多くのレポーターが麻薬カルテルによる連絡を受けて脅迫されていたからです。

そして、かなり過激になった一例として、密売人たちが自分達テリトリーを要求して恐怖をさらに拡大するための新たな手法を使用したことが挙げられるでしょう。麻薬カルテルのメンバーは、処刑の動画をYouTube上に放送して処刑の様子を動画に残しています。その他にも、混雑したナイトクラブに、処刑した体のパーツを投げ込んだりしました。

2008年9月15日にはモレリアで2008年モレリア手榴弾攻撃事件が起こりました。その手榴弾攻撃事件では、二つの手榴弾が混雑した広場に投げ込まれて10人が死亡して100人以上が負傷しました。

アメリカでの死者数

アメリカの当局は、メキシコのカルテルに繋がっている殺人、誘拐、家宅侵入が急増していると報告しています。2008年には少なくとも19人のアメリカ人が殺害されています。また、2004年以降も200人以上のアメリカ人がメキシコで殺害されています。

アメリカ統合戦力軍は、最悪のシナリオも考えています。それは、メキシコの政府とその政治家、警察および裁判の基盤の全てがギャングと麻薬カルテルによって継続された攻撃と圧力の下にあり、次の20年でメキシコが突然崩壊することを考慮しています。

アメリカ統合戦力軍は、この内部対立が次の数年に渡ってメキシコの国家の安定性に大きな影響を及ぼすことになり、単独での国土の安全保障への影響に基き、アメリカへ対応を要求することを懸念しています。

2010年に起こった、恐らくは麻薬密売人によるものとみられるアリゾナの牧場主ロバート・クレンツ殺害事件の後に、国境上の州兵の需要は大きく増大することになりました。

2009年3月に、オバマ大統領は、麻薬、金と武器の密輸を防ぐために、2億ドルを配分し直しました。500人以上の連邦捜査官を国境の要点に移動させる計画の要点を述べています。2010年5月25日、オバマ大統領は、メキシコの国境保護と活動の実施を援助するために、アメリカの国境に1,200人の州兵の部隊の配備する許可を与えていて、さらに列車に税関と国境保護のための職員を追加する支援を行っています。この配備は主に国境に位置する州政府によって、2,000マイルを越える国境線をコントロールするにはさらに1,800人が必要でありこの配備は十分でなく、国境での侵略を止めるための重大な試みと言うよりは政治的なショーであると批判を受けることになりました。

メキシコ麻薬戦争激化 その1

2008年4月、バハ・カリフォルニア州における反麻薬キャンペーンの担当者だったセルジオ・アポンテ将軍は地元の警察に対していくつかの横領の申し立てを行いました。アポンテはその申し立ての間に、バハ・カリフォルニア州の誘拐対策班が実は犯罪組織の誘拐チームと共に働いていると考えていて、その買収された警察官が麻薬密売のボディーガードとして使われていると述べました。腐敗していると告発することによって、贈収賄や脅迫、腐敗によってメキシコの麻薬組織に対する進展が妨害されていたことが暗示されました。

2008年4月26日、バハ・カリフォルニア州のティファナ市で、ティファナ・カルテルとシナロア・カルテルのメンバーの間で大きな戦闘が起こり、17人の死者を出しました。この戦いはまた、ティファナ市およびいくつかの国境都市が戦争によって暴力のホットスポットとなることで、アメリカへ暴力が拡大されるのではないかという懸念をもたらすことになりました。2008年9月、モレリアでカルテルのメンバーを容疑者とする手榴弾攻撃が起こって、一般市民8人が死亡して、100人以上が負傷する事態となりました。

2009年3月には、カルデロン大統領はさらに5,000人のメキシコ軍を招集して、シウダー・フアレスに派遣しました。アメリカ国土安全保障省はアメリカに国境を越えて溢れ出してくるメキシコの麻薬による暴力に対抗するために、国境警備隊を用いることも考えていると述べました。アリゾナ州およびテキサス州の知事は、連邦政府に対して、既にそこで活動している麻薬密売に対する地域の警察組織を支えるために、国境警備隊の部隊のさらなる派遣要請を行いました。

アメリカ麻薬情報局 によると、メキシコのカルテルは南米のコカインとメキシコで生産された大麻、メタンフェタミンおよびヘロインの支配的な密輸業者および卸売業者です。メキシコのカルテルは以前から存在していましたが、コロンビアにおけるメデジン・カルテルおよびカリ・カルテルの終焉によって近年ますます力をつけてきました。