アメリカ永住権を求める人間ドラマ

アメリカ合衆国の市民権

合衆国憲法の市民権条項(Citizenship Clause)に従って、アメリカ合衆国領土内で誕生した子供、また両親または両親の一方の下に生まれた子、市民権取得者は、自動的にアメリカ合衆国の市民になってアメリカ合衆国の構成員となります。

市民権は、人がアメリカ合衆国内で働いて生活をするうえで、連邦政府のサービスや援助を受けられるなど、その人物が一連の権利や権限を持っているかどうか識別するための法的指標となっています。アメリカの法律では、外国籍であっても、アメリカ合衆国の市民権を取得することは可能になっています。市民権を取得していない外国籍の人は、アメリカに在住していても、アメリカ合衆国の市民権保持者としての市民にはなりません。

アメリカ合衆国の市民権は、市民権の所持者が市民権を放棄することもできます。また政府によって剥奪された場合には市民権は消滅しますが、市民権の回復も可能になっています。

アメリカ合衆国政府は二重国籍の存在は認めていますが、米国国籍法において、二重国籍に関しては特に言及はしていません。帰化することに際してはアメリカは外国籍を失うことを要求していませんが、アメリカ政府は二重国籍を支持もしていません。

生得権とは?

生得権とは、生まれながら持つ権利のことをいいます。アメリカ合衆国憲法修正第14条に従って、アメリカ合衆国の領土内で出生すると、アメリカ合衆国の市民権およびパスポートが付与されます。戦時中における敵国人はこの生得権から除かれます。年齢によって、投票の権利を持てない、飲酒ができないなどの法的にいくつかの恩恵が制限されます。

帰化とは?

移民など市民権を持たない人がアメリカ合衆国の市民権を申請する場合には、規定の国内居住年数を満たしていること、重罪の有罪判決を受けていないこと、移民局の判断でその人物が健全な精神をもっていると判断されること、アメリカ合衆国憲法に関する知識があること、老齢者や障害を持つ者を除いて英語を理解して話せることなどの、いくつかの要件を満たすことを求められています。

宣誓

新たにアメリカ合衆国市民となる移民は、「Fourth of July 帰化セレモニー(Fourth of July, Naturalization Ceremony)」や「帰化宣誓セレモニー(Naturalization Oath Ceremony)」と呼ばれる宣誓式に出席します。そしてすべての移民はその場で「Oath of Allegiance(忠誠の誓い)」と呼ばれるアメリカ合衆国に対して忠誠を誓う宣誓を行います。

忠誠の誓い

Oath of Allegiance

市民権に関すること

アメリカ合衆国において、市民権に軍事や社会参画の要件はありませんが、他の市民および政府に対していくつかの約束(コミットメント)が求められています。

義務

納税義務

市民権の有無にかかわらず、収入がある人は全員納税の義務を負っています。またアメリカ国外でも、アメリカ合衆国市民は納税義務があります。

陪審義務

市民権保持者のみが、陪審義務(Jury duty)を負っています。陪審員およびその要員として訴訟手続きに参加する義務を負っています。

権利

生活と就業の自由

法の下の居住者は、アメリカ合衆国で働いて、生活する自由があり、教育を受けることができます。

投票

市民権保持者は、投票を行う特権を持っています。しかし、投票を行う義務を課せられているわけではありません。

社会活動への参加の自由

アメリカ合衆国で、住民参加プログラムへの参加や政党への入党など、社会活動への参加の義務を負いません。しかし、国家が有事の時には、この限りではありません。

その他

海外旅行時の政府によるサポート・・・アメリカ国外で危機的状況に陥ったり、拘束されたり、投獄されたりした場合には、アメリカ政府の保護や介入の申請を行うことができます。

連邦政府の援助・・・収入の援助をはじめとした、市民権保持者に対してアメリカ政府の援助やサービスを受けることができます。

市民権を取得することで、移民は国外退去処分を恐れながら暮らすことから解放されます。

大統領の要請によって合衆国議会の制定する法律に基づいて、傑出した功績の認められる外国人に対して贈呈される「アメリカ合衆国名誉市民」は名誉称号になっているため、実際の市民権に準じる権利や義務はありません。